ピッキング対策は2重・3重

 ピッキングは、開けられることを前提に対策をするのが基本です。ピッキングというのは、工具を購入しさえすれば、素人でも簡単に鍵を使わずにドアを開けることができます。熟練した人になると、10秒もあればこのピッキングは可能なのだそうですよ。そのため、一時期ピッキングによる空き巣が激増したことがありました。ですが、その後ピッキングという言葉が有名になり、ピッキング対策が施されたカギに簡単に交換できるようになりました。ピッキング対策を行う人が増えたため、このピッキングによる泥棒の侵入そのものは、現在少なくなってきています。ですが、最初にいったように、どんなに高価なカギであっても、絶対に泥棒が開けられないものはない、と考えておくのが防犯対策の基本です。鍵のこじ開けは、ピッキング以外にもいくつか手法があります。ピッキングできないカギであれば、サムターン廻し、カム送り、またカギを壊してしまうこともありますし、ドアにバールなどを差し込んで、物理的にこじ開けてしまう侵入方法もあります。仮にピッキング対策が万全であっても、全く安心はできないと言う事になりますね。ですが、ピッキング対策を施したカギと、補助錠があればどうでしょう。当然、もうひとつのカギを開けるために、時間が必要になります。カギを開けられないようにするというのは、現実的には難しい話です。ですから、いかに長時間、泥棒に絶えられるようにするかが大事になります。具体的にどのくらい持ちこたえればいいのかというと、5分以上かかると判断した場合、半分以上の泥棒が諦めるといわれています。更に10分かかると、ほとんどの泥棒はそのドアからの侵入を諦め、ターゲットを変えるそうです。時間が長くかかればかかるほど、人目につくリスクが高くなるため、泥棒によっては2・3分で諦める人もいます。ですから、絶対に開けられないカギを目指すよりも、開錠に時間がかかるようなドアにしてしまえばいいのです。そのために最も簡単な対策が、ひとつのドアに対して複数の防犯対策を行うということになります。最近は賃貸でも取り付けできる、ドアに傷を付けることなく取り付けできる補助錠や、カギを閉める手間がかからないオートロックの補助錠なども販売されています。時間さえかければ、開けられないドアはありません。いかに侵入に手間のかかるカギにするか、そのために最も簡単な方法が、2重・3重のカギ対策となるのです。

 
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